手続き踏まずに「コンクリート舗装」
今回の認定を取り消された8区画の事業用低圧案件のうち、4つはこうして稼働済みの案件が対象となり、売電停止となった。
残り4案件は認定を取得後、長期間、未稼働のままだった。4つの稼働済み案件に隣接しており、敷地全体がコンクリート舗装されている。これら未稼働案件も、稼働済み案件と共に「認定取消」となったのは、この「コンクリート舗装」が農地法違反とされたからだ(図5)。
2018年の農地法改正で、ハウス栽培や植物工場などを想定し、全面をコンクリート舗装しても農地として認められるようになった。ただ、この構造による営農が可能になるのは、一時転用と同様、農業委員会に事前に計画書などを提出して認められることが必要になる。今回のケースでは、こちらもこうした事前の手続きを経ておらず、「農地法違反」状態だった。
そこで、農業委員会では、コンクリート舗装を撤去して、現状を回復するよう何度か、指導してきた。だが、改善が見られず、稼働済みの4案件とともに、県に報告し、国による聴聞を経て、認定が取り消された。
今回の「認定取消」は、改正FIT法によって新たに設けられた条項を初めて適用したもの。改正FIT法によって、従来の「設備認定」から「事業計画認定」に衣替えし、認定に際しては、従来の「設備内容」に加え、電力系統との接続(連系)や事業用地の利用に関する契約締結も含めて実現性のある計画であることを認定の取得に求められることになった。同時に森林法や農地法、農振法、河川法、環境影響評価法など、土地利用などに関わる他法令に違反した場合、認定の取消が可能となる条項も盛り込まれた。