コネクターが外され、直列9枚~15枚のバラバラな構成
もう一つ、大きな不具合があった。太陽光パネル同士を結ぶコネクターの接続が、外れていた箇所が多く見られた(図4)。実は、「外れていた」というのは正確ではなく、明確な意図を持って、「外されていた」という状態だった。
この理由として、接続箱の入力電圧の仕様を考慮せずに、ストリング(太陽光パネルを接続する単位)を構成したことから、発電時には接続箱の対応電圧を超えた電圧で入力してしまい、この状況を解消するために、一部の太陽光パネルのコネクターを外し、接続を解除したのではないかと思われた。
エネテクによると、同じような原因で、コネクターを外している例は、他の太陽光発電所でも見かけたことがあるという。
パワーコンディショナー(PCS)の対応入力電圧を超えた電圧のストリングを構成した発電所において、過電圧とならない範囲までストリングの入力電圧を下げる目的で、200枚以上の太陽光パネルのコネクターが外されていた例もあった。コネクターが外されている太陽光パネルの発電電力は、当然ロスとなる。
もし、そのままのストリングの構成で入力していたら、PCSが安全機能を働かせて、稼働を停止する。こうした稼働停止を避ける措置と思われ、設計時に十分に検証していれば、本来は避けられる対処である。
今回のトラブル事例である、太陽光パネルが土に埋もれていた発電所の場合、コネクターが外されていた太陽光パネルを除き、実際に接続されていたパネルによるストリングの構成を見てみると、直列で接続されていたパネルの枚数は、9枚から15枚までとバラつきのある状態だった。
これは、あまり見ないケースで、ストリング構成が異なる意図はわからないという。