こうした焼損のプロセスは、コネクターが溶けたり焦げたりした結果、部分的に焼け落ちるように断線した状況や、付近の太陽光パネル裏や架台の焦げ方からも推定できるという(図3)。
ただし、今回のケースでは、不適切なコネクターの採用と施工ミスだけで、これだけの規模の損傷を説明できないとも見ている。
これらの原因で、PCSとの接続部のコネクター内の抵抗が過剰に高まっていたところに、落雷を受けたことで、高い電圧に耐えきれず、部分的に焼け落ちるような状況に至ったのではないかとしている。
焼損したコネクターの多さから、誘導雷ではなく、直撃雷を受けた可能性もあるとみている。
発電所の所有者は、当初の計画通りの発電量を得られていないことから、転売することを考え、エネテクに点検を依頼し、こうした状況がわかった。
架台が積雪に十分に耐える設計となっていなかったうえ、太陽光パネルとPCSを結ぶコネクターでも不適切な設計・施工が原因とみられる焼損が重なり、大きな発電ロスが生じていることがわかった。
こうした発電所では買い手を見つけることは難しく、転売を断念したようだという。適切な設計や施工の重要性を改めて認識させられる例と言える。