科学的立証の重要性

 本訴訟では、反射光の問題に付随する問題として、「熱」の問題も争点とされた点が特徴的でした。もっとも、確認される限り、反射熱によりどの程度温度上昇があったかについて信用性の高いデータが確認できなかったように思われるものでした。

 このことは、一般人が感じる太陽光パネルからの影響を証拠化することの難しさを示しています。このような訴訟では、被害を主張する側(通常は隣地住民などの一般人)が被害の立証責任を負いますが、素人である一般人では、「何を、どのように測定すべきか」の判断が難しく、測定の結果が反証に耐えられない可能性があるからです。先述の横浜事案でも、被害を訴える隣地住民側の反射光被害の立証が控訴審で覆されています。訴訟提起を考えるときは、反証に耐えうる様な科学的立証を準備することが望ましいといえます。

 このように、本訴訟は、裁判所の判断は示されていないものの、これを検証してみると、反射光問題の評価の難しさや、問題解決方法、科学的立証の重要性を改めて考えさせる素材になるものです(関連記事)。

 改正再生可能エネルギー特別措置法に基づく「事業認定ガイドライン」の遵守(反射光被害への配慮)にあたっては、本訴訟の経緯も踏まえて、戦略的・合理的な対応が求められるといえるでしょう(図6)。

図6●宅地に近いメガソーラーでは東西に隣接した住宅にも反射光への配慮が必要
図6●宅地に近いメガソーラーでは東西に隣接した住宅にも反射光への配慮が必要
(出所:日経BP)
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