安全上のリスクを認識し、適切に対策を施し、安全に点検できる環境を整える発電事業者やEPCサービス事業者も出てきている。

 代表的な手法は、太陽光パネル側の電線を直接、海外メーカー製の分散型PCSのコネクタに接続せずに、スイッチやブレーカーといった遮断器を備えた分電盤のような役割を担うボードを介して、入力することである。

 このボードを製造・販売している企業も出てきている。国内の実情に合わせ、安全上の新たなニーズに応えた事業ともいえる。

 中部電気保安協会でも、こうした遮断機能を後付けで加えた海外メーカー製の分散型PCSの採用案件で、竣工前の使用前自主検査を担当した例がある。

 この時の点検では、後付けの遮断機能によって、分散型PCSに入力している直流回路の耐圧と絶縁抵抗という二つの測定を、安全に実施できることがわかったために受託した。

 また、最近では、この問題を認識し、日本向けに対策を施した機種を販売し始めた海外のPCSメーカーも出てきている。

 中国の華為技術(ファーウェイ)は、分散型PCSとしてよく使われている出力33kW、40kW、50kWの最新機で、オプションではあるものの、安全に絶縁抵抗を測定できる端子を備えた機種の販売を国内で始めている。

 こうした海外メーカー製の分散型PCSの安全上の課題は、そもそも経済産業省が固定価格買取制度(FIT)に基づいて、絶縁抵抗の測定ですら安全面のリスクのあるPCSを採用した発電所も認定していることに問題があるとの指摘も多い。

 今後の対策として、PCSに直流回路の地絡検出機能を備えることを義務化することで、現在の絶縁抵抗測定を不要にする方法もある。測定を不要にすることで、点検時の安全リスクを減らす発想である。

 もう一つの損傷リスクとは、コネクタが電線の抜き差しにどの程度、耐えられるのかである。

 スイッチとは異なり、電線を抜き差しする作業を繰り返すことを想定していないことが考えられ、点検後の復旧後、損傷して送電できなくなった例が、実際に生じている。