交流側のケーブルに地絡
障害から復旧までの経緯は以下になる。5月2日13時、障害が発生して20台のPCSすべての停止を確認。オペレーターであるエネクス電力の主導により、状況確認と復旧対応に着手。5月3日16時、PCS全20台のうち、12台について復旧し、正常動作を確認。9日22時、残る8台が復旧し、全面的に復旧。10日朝7時に正常動作を確認した。
障害の原因となった箇所は、地下埋設したケーブルで、交流に変換後の送電線に地絡(漏電)が発生し、それを検知したPCSの安全装置が働き、20台すべてが停止した(図2)。
太陽光発電所の地絡では、太陽光パネルやそれらを接続したストリング回路など直流側で起きることも多く、その場合、その回路がつながるPCSだけが停止する。今回の場合、交流側で地絡が発生し、その送電ケーブルに20台のPCSから交流を集電する配線だったため、すべてのPCSに影響が及んでしまったという。
障害が発生した後、地絡の起きたケーブル箇所を特定し、その部分を切断してケーブルを張り替えることで復旧させる方針をとった。その際、「20台のPCSのうち、12台は工事の影響を回避できたが、8台については区画の配置上、そうした措置がとれず、張り替え工事の完了まで再稼働できなかった。二次災害の発生防止を最優先し、安全第一の復旧方針を立てた」(エネクス・アセットマネジメントの山本隆行社長)という。