山の地滑りに巻き込まれて全壊

 集中豪雨により、7月5日に土砂崩れによる災害の相次いだ広島県三原市大和町では、低圧配電線に連系する事業用太陽光が、土砂の流入によってほぼ全壊した(図6)。

図6●広島県三原市大和町の被災現場
図6●広島県三原市大和町の被災現場
(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 同市北部に位置する大和町は緩やかな台地にあり、小高い丘陵の間に建物や道路、田畑が広がっている。道路沿いや山の裾野には、田畑に交じって出力50kW前後の事業用低圧太陽光やメガソーラー(大規模太陽光発電所)が点々と設置されている。

 被災後の7月下旬に現地を訪れた際には、道路沿いの山の斜面が所々で地滑りを起こし、樹木を巻き込みながら道路まで土砂が押し寄せている箇所があった。三原市の調査によると、西日本豪雨による道路被害は市内全体で1114カ所、大和町内で349カ所に上った。

 土砂の流出した先に住宅や事業所などの施設があれば、損壊となった。市内全体で被災した住宅399棟、事業所187棟などとなっている。被災した太陽光発電所もその1つで、農道と林地の間に位置する南北に細長い敷地にパネルを設置していた。

 パネル横置き、4段・6列(合計24枚)のアレイを架台に取り付け、南北2本、東西3本の杭基礎に固定していた。10前後のアレイを南北方向に配置していたが、土砂と倒木はその真ん中あたりに押し寄せ、架台ごと押し流したようだ(図7)。

図7●山から流入した土砂で架台ごと押し潰された
図7●山から流入した土砂で架台ごと押し潰された
(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 南端と北端の2アレイは、かろうじて原型を留めているが、傾いたり、歪んだりしており、ほぼ全壊と言ってよい。所々に杭基礎だけが残っているので、土砂と倒木の重みで杭基礎と架台との結合部が外れたり、杭基礎ごと引き抜かれたりしつつ、道路側に押されて倒壊したと推測できる(図8)。

図8●残っている杭基礎もある
図8●残っている杭基礎もある
(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 大和町内には、数m先まで地滑りの土砂が押し寄せたものの、まったく無傷だった太陽光発電所もあった(図9)。土砂が流入してしまえば、ひとたまりもないだけに、山を背にした発電所の場合、土砂災害のリスクを慎重に調査することの重要性が再認識された。

図9●かろうじて土砂崩れを逃れた発電所
図9●かろうじて土砂崩れを逃れた発電所
(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]