保険に過剰に頼るリスク管理を危惧

JPEAの亀田事務局長
JPEAの亀田事務局長
(撮影:日経BP)

亀田 最近、危惧していたのは、こうした事例が生じることも含めて、太陽光発電事業者の中には、リテラシー(その分野に必要な知識や能力)が不足している事業者が少なくないことです。

 例えば、自然災害を含む太陽光発電システムのトラブルに対して、保険に入ることがリスク管理と考える事業者が多い気がします。安易に保険に頼る姿勢に危機感を覚えていました。

 トラブルの発生に伴う保険金の支払いが増えてくれば、当然、保険金は上がっていきます。その結果、少ない掛け額で大きなリスクに備えるという保険本来の役割が機能しなくなってきます。発電事業者のリテラシーが上がり、保険金がより安くなるような方向に進んでもらいたいのです。

 こうした発電事業者のリテラシーの向上を促すために、われわれは関連事業に必要な情報の発信に努めています。

 例えば、『太陽光発電システムの設計と施工』と題する書籍を1996年に発行し、2015年9月には第5版に達しました。内容も版を重ねるごとに充実させてきています。また、「公共・産業用太陽光発電システム手引書」をホームページ上で公開しています。主催している展示会「PV Japan」などにおいて、無料の講習会も開催しています。

 太陽光発電システムというと、シンプルで簡単な印象があるようです。発電量の確保ばかりに意識が向きがちですが、電機関連以外の部分にも、配慮すべきことが多くあります。

 中でも、地上設置型では、周囲の地域に対して十分に注意を払わないと、予期せぬトラブルを生じる恐れがあります。今回の鬼怒川の事例を他人事とせず、多くを学び、リテラシーを向上する機会として生かしてもらえることを願っています。

 というのは、トラブルとして表面化こそしていないものの、全国各地で危うい太陽光発電所を設置している事業者が、少なからずいると予想しているからです。

 例えば、設置しようとしている土地の状態に対して、基礎や架台は必要な強度を満たしているでしょうか。こうした項目をチェックリストとしてまとめ、ガイドラインとして公開していますので、活用して欲しいと考えています。