この白い線は、樹脂製のバックシートがセルとセルの隙間を埋めている部分で、この隙間でカバーガラスと直接接し、白色のバックシートがガラスを通じて見えている。異なる色のバックシートを使えば、白ではなく、その色に見える。

 そこで、バックシートに何らかの不具合が生じていることが予想された。

 架台の下に潜り、裏面の該当箇所を調べてみると、この場所のバックシートが膨らんで、セルやカバーガラスと密着していない状態だった(動画2)。触ってみると、ぽこぽこと凹んだ。

動画2●空気が入っている
裏面から触るとよくわかる(出所:エネテク)

 製造時には密着していたはずのバックシートが剥がれ、中に空気が入っている。この部分は、密封されていない状態となっている。

 この不具合は、「ラミネーション不良」などとも呼ばれる。

 一般的な太陽光パネルの不具合は、熱分布の画像として、他の部分よりも過剰に熱を帯びていて、真っ赤な色に染まることがほとんどである。一方、このバックシートの剥がれの場合、セルは過熱しているのではなく、逆に、中に入った空気によって、熱分布画像では他の部分よりも低温に表示され、青っぽく見える(図2)。

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図2●裏面の様子(上)と状況の説明(下)
図2●裏面の様子(上)と状況の説明(下)
バックシートが剥がれて空気が入り、温度分布は低温側の異常を示している(出所:エネテク)
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【エネテクによるトラブル・シューティング】