エネテクでは、応急措置として、この絶縁不良を生じていた場所を、絶縁テープを巻いて補修した(図4)。この後、再び絶縁抵抗値を測ると、計測値は他の直流回路と同じようなレベルまで回復していた。
同社によると、この絶縁不良の進行によって、地絡してPCSが稼働を停止するのは時間の問題だったと分析している。
コネクタの腐食による絶縁不良の例は、増えてきているという。直流回路の地絡の原因で多い一つとしている。
PCSの機種によっては、直流回路の地絡が生じる兆候を把握すると、警報を送信するものもある。この警報によって、地絡によってPCSが稼働を止める前に現地を点検して対処できる場合もある(関連コラム:愛知県のメガソーラーの例)。
今回の例は、こうした機種ではなく、精密点検の機会がなければ、発見されずにそのまま稼働が続き、PCSの稼働停止に至った可能性もある。売電機会の損失を招くとともに、感電などの危険が生じていた恐れもあり、適切な点検が奏功した例の一つとなった。