「過積載比率200%」も登場

――連系出力よりも太陽光パネルを積み増す「過積載」の比率は、どの程度まで上がっていますか。

井上 売電単価が下がるに従って過積載比率が上がっています。2013年にも「50kW以上80kW未満」の案件が6割ありましたが、80kW以上の案件はありませんでした。2016年になると、「50kW以上80kW未満」が7割に増えるとともに、「80kW以上100kW未満」が1割も登場しました。

 さらに2017年には、「80kW以上100kW未満」が35%に増え、1.5~1.7倍もの過積載比率も珍しくなくなってきました(図5)。

図5●太陽光パネルの設置容量
図5●太陽光パネルの設置容量
(出所:グッドフェローズ・タイナビ発電所の集計データ)
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 実は、FITスタート時から「過積載」のニーズはあり、事業者は少しでも多い「積み増し」を望んでいました。ただ、当初、国内PCSメーカーは1.1倍程度が適正というスタンスでした。しかし、海外メーカーが1.3倍を超えるような過積載を認め始め、国内メーカーでも、高比率の過積載が採用されることが一般化したようです。

――経産省は、2018年度の事業用太陽光の売電単価を決める際の前提に、過積載による設備利用率の向上を折り込んでいます。高圧連系太陽光で一般化した1.3~1.4倍の過積載が今後、小規模の分野にも広がる可能性があるとの見方を示していますが、事業用低圧案件ではすでに高い過積載比率が増加しているようですね。

井上 2017年には、「100kW以上」つまり、過積載率200%(2倍)以上の案件も2%掲載されるなど、高圧案件にはないような高い比率の設計も出てきました。