認定遅れで「建設できない」

――話題が、将来的な展望に及びましたが、直近では、経産省による「事業計画認定」の手続きが大幅に遅れており、太陽光開発事業者が困っているとの状況を聞きます。

井上 改正FITに移行し、認定に関するシステムをリニューアルしたことなどから、認定申請の回答が遅れているようです。3カ月待ちと言われているなか、6カ月かかったケースも聞いています。認定を取得できなければ、いつ売電を開始できるかもわからず、開発事業者は、発電所の建設に入れません。

 こうした状況は、「タイナビ発電所」に掲載した案件のステータス(建設前、建設中、完工済み)の割合からも伺えます(図7)。

図7●建設ステータス
図7●建設ステータス
(出所:グッドフェローズ・タイナビ発電所の集計データ)
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 2015~16年では、掲載案件のステータスは、「建設前」が7割弱でしたが、2017年には「建設前」が85%まで高まっています。これは、認定申請の回答が遅れ、建設に入れない案件が増えているためと考えられます。

 制度の変更には混乱は付き物ですが、中小事業者が多いだけに、経営への影響も大きく、一刻も早い正常化を期待しています。