不具合の生じない太陽光発電所は5%だけ?
メンテナンスを重視しているのは、メガソーラー以前に取り組んできたビルやマンションと同じです。
元々、ある機器のサービス代行認定店として、メーカーの保証期間中に故障した機器を修理する事業に取り組んでいました。

この経験から、設備のメンテナンスについては、あらかじめ予想できることが多いと学びました。太陽光発電所でも、どのような作り方をすると、運営中の出費が増えそうだ、このような手法ならば、簡単に管理できそうだといったように。
結果的に、どの事業でも運用中に十分な収益を維持できています。
国内で売電している太陽光発電所のうち、20年間、不具合が生じることなく、万全な状態で売電し続けられる案件は、おそらく5%程度に留まるでしょう。全体から見れば、むしろ例外的な発電所になると予想しています。
ただでさえ日本は、台風など自然災害の多い国です。近年は、記録的な強風や豪雨が相次いでいます。不具合の生じる要因は、気象だけに限っても増えています。
最低限のメンテナンス体制で済ませようと考える発電事業者が多いですが、太陽光設備の構造上、長期間の安定稼働には、万全のメンテナンス体制が不可欠に思います。
稼働を始めたメガソーラーの多くは今後、ファンドに売却されると見ています。ファンドが購入したメガソーラーは、FITの買取期間が終わった後、どうなっていくのでしょうか。
発電を止め、設備を撤収してしまうのでは、FITで太陽光の導入を促した意義が失われてしまいます。国内の電力がまた、不足する事態にもなりかねません。償却の終わった発電所として、地域に安い電気を供給してもらうのが、望ましい姿です。これは、しっかりしたメンテナンス抜きには実現できません。
実をいうと、われわれも4~5カ所のメガソーラーで、海外の複数のファンドから売却の引き合いがきています。