海外ファンドも惹きつけたメンテナンス

――元々、開発した太陽光発電所を売却することも想定していたのでしょうか。

 今回のファンドとの売却交渉以前にも、開発中などに買い手が付き、民間企業にメガソーラーを売ったことがあります。

 ファンドへの売却は、世の中の流れでしょう。多くの太陽光発電所を開発してきた発電事業者は、多くの資金を投入しています。よほど手元資金のある企業でない限り、金融機関からの借り入れが増えてきます。

 こうした状況になると、融資を受けている金融機関から、資産である太陽光発電所を売却するよう、促されることも出てきます。売り急いでいるように見える太陽光発電事業者もあります。

芝浦グループホールディングスの新地会長兼CEO
芝浦グループホールディングスの新地会長兼CEO
(出所:日経BP)

 一方で、ファンド側には、高値でも買いたい状況も出てきます。こうした需給の一致によって、高めの購入希望価格が付くことがあります。

 海外のファンドが買おうとしているのは、稼働済みのメガソーラーに移ってきている傾向があります。

 当初は、開発中で土地、設備認定、連系承諾の三つが揃った「権利」の転売案件を買うことが多かったようです。

 しかし、実際には現実的でない連系費用が必要になるなど、事業性の乏しい案件を掴まされることも多く、最近では売電の実績が確実にある、稼働済みの太陽光発電所に関心が移っているようです。

 われわれが太陽光発電所を売る場合には、メンテナンスはわれわれが継続します。海外のファンドにとって、そこも魅力になっているようです。