「小規模案件の滞留が山ほどある」

――これまでも、未稼働案件に対する報告徴収・聴聞を実施し、認定を取り消してきました。これでは不十分なのですか。

松山 お話ししたように、40円案件と36円案件の未稼働分、36万件を早く退出させたいのです。ただ、いったん法律上、認定した案件を取り消すには、行政手続き上、報告徴収・聴聞を行う必要があります。全国の地方局を総動員して、これを行い、土地・設備を確保していない案件の認定取り消しを進めています。

 400kW以上を対象とし、これまで約1万5000件について報告徴収を行いましたが、実際に認定を取り消したのは約2000件に過ぎません。まだ35万件以上残っています。

――50kW未満の低圧案件に対しても、報告徴収を実施しているのですか。

松山 低圧案件まで対象にしてもよいのですが、件数が多すぎて、とても手が回らないのが実態です。400kW以上に区切ったのは、そのためです。ただ、本来、400kW以上なのに低圧に分割している案件については、報告徴収を始めたところです。ようやくここまできたのです。ただ、そうした分割案件も6万件に過ぎません。約30万件は残ってしまいます。

 400kWに満たない小規模な案件が、山ほどたくさんあるのです。そのなかに投資目的や転売目的、不良案件も多く含まれます。一方で、これより大きな案件、メガソーラー(大規模太陽光発電所)は、ほとんどの場合、発電事業として健全に計画が進んでいます。

 従って、どうにかして、小規模な滞留案件を消していかないと問題は解決しません。しかし、報告徴収・聴聞だけで未稼働案件に対応するのは、限界があります。