「新認定を取るか、止めるか、決めて欲しい」

松山 そこで、新認定制度を導入し、「設備」の認定から、「事業計画」の認定に換えることで、発電する見込みのない案件は認定しないことにします。その要件として、土地と設備の確保に加え、系統との「接続契約の締結」を加えます。発電事業の実現性には系統接続がカギだからです。

――「買取価格の決定」に関しては、2015年度にその時期を、「接続申し込み」時点から「接続契約の締結」時点に変えるなど、FITの運用を変更しました。

松山 買取価格の決定時期までは、「運用の見直し」で対応できました。今度は、法改正によって、認定自体の時期を「接続契約の締結」の後にしたのです。接続契約まで至っていれば、ファイナンスも付きますし、事業実施の確実性は格段に増します。

 逆に言えば、接続契約を締結していなければ、ファイナンスが付かず、事業計画は進みません。そう考えると、本来、最初から「接続契約の締結」を認定の要件にすべきだったのです。だが、そうなっていなかった。そこで、法改正で要件に加えます。

 新認定制度は、滞留案件を取り消すために導入するわけではありません。新規案件も含め、本来の形にし、「再エネ事業」自体を支援する制度にします。

 従って、未稼働、稼働を問わず、全案件について新たな認定制度で事業計画の認定を取り直すことにします。もちろん稼働済み案件は、接続契約を締結した上で系統連系しているわけですから、「見なし規定」を置いて、新認定制度に移行して現状の買取価格は維持されます。

 未稼働案件については、施行日から若干の経過規定(猶予期間)をおき、それまでに接続契約を締結して、新たな認定を取らなければ、今の認定制度でのステータス(買取価格など)は持ち越せません。法改正の施行までに、接続契約を結んで新認定を取るのか、止めるのか、決めて欲しいのです。

 2012年度に認定を取った40円案件は、法改正の施行までに5年経つことになります。普通、系統接続の契約締結に要する期間は9カ月です。5年もあれば、事業性などについて十分に検討する時間はあったはずです。