ベストミックス達成のカギは太陽光
――太陽光以外の再エネも、複数年度の買取価格を設定するようですね。
松山 地熱や風力、小水力のように開発期間の長い電源にも、複数年度の価格設定は有効です。実は、単年度で決めているのは日本だけで、海外のFITでは、スライディングスケール方式が一般的なのです。
――太陽光に偏った普及は、是正されるでしょうか。
松山 太陽光以外の風力、地熱、小水力、バイオマスについては、前回のインタビュー記事で述べた3つの壁のうち、コスト以外の2つの要因で、導入が進まない面が大きいのです。コストについては買取価格の複数年度の設定である程度、対応できますが、風力の壁になっている系統インフラ、地熱で問題になりやすい地域との関係などは、地道に時間をかけて乗り越えていくことになります。
――ベストミックスで掲げた2030年の再エネ比率(22~24%)は、達成できますか。

松山 ベストミックスを決めた際に、再エネのなかでの割り振りも決めました。太陽光は64GWで7%です。これは「枠」ではなく、各電源が競い合う中で、変わっていくこともあり得ます。3つの壁を克服できた再エネ電源が増えていくことになります。
とはいえ、太陽光以外の電源は、コスト以外の要因が大きいことから、今後、急速に導入が進むということは考えにくいようにも思います。べストミックスの達成のカギは太陽光が握っており、再エネの核になっていくことは間違いないでしょう。