サイト間で発電データを比較分析

メガソーラー事業において、誰がアセットマネジメント(AM:資産管理)を担うのか、発電事業者に対してAMの視点からアドバイスするのか、役割分担があいまいなケースもあるようです。ウエストO&Mでは、AM業務についてどんなスタンスですか。

ウエストO&Mの大山正彦社長
ウエストO&Mの大山正彦社長
(出所:日経BP)
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大山 「発電事業者のビジネスパートナー」と言ったのは、まさに「アセットマネジャー」としての役割を担うことをイメージしています。

 発電所の稼働年数が経つに従い、不具合や発電量の低下などの可能性も高まってきます。AMの視点は、より重要になってきます。しかし、現実には、事業者をサポートするアセットマネジャーが不在のケースも目立ちます。

 太陽光の発電事業者には、温暖化対策の価値を重視して常に発電量の最大化を追求するオーナーもいれば、「投資」の対象として、費用対効果を重視してIRRの最大化を目指すケースもあり、顧客のニーズに応じて提案します。現実的には、固定価格買取制度(FIT)を利用して建設された太陽光の多くは「投資」が第一の目的なので、後者の視点からのアドバイスが中心になります。

例えば、今後、経年劣化で太陽光パネルの効率が下がり、出力が落ちてくることも十分に予想されますが、その場合、発電事業の残余期間との兼ね合いで再投資の費用対効果が決まります。FIT期間の20年で発電事業を止めるのか、その後も続けるのかなどによって投資効果は変わります。こうした経営方針も確認しつつ、適切に提案することが重要です。

太陽光パネルの不具合を発見する手法としては、発電量の監視や赤外線センサーによる熱画像など、さまざまな手法があります。

大山 不具合パネルの発見に関しては、まずマクロな分析が有効です。発電量を監視するサイトが増えてきたので、1つの地域に近接する複数の発電所からの発電データを比較できるようになってきました。その結果、サイト間の比較分析によって不具合の可能性をある程度、検知できることが分かってきました。

 その上で、サイトに出向いて検査機器で測定し、ストリング(パネルの直列回路)ごと、そしてパネルごとに、絞り込んでいくという作業に移ります。いきなり、パネルごとの分析など、ミクロな検査・分析を行うよりも、効率的ですし、大きな不具合を見逃すことが少ないと思います。

日射量や温度から本来の発電量を試算し、実際の発電量と比較するパフォーマンスレシオ(PR)の手法なども注目されています。

大山 PRの手法も試していますが、意外に難しいというのが実感です。高圧連系クラスのメガソーラーになると、敷地内の1~2カ所、日射計を取り付けても、エリアによってかなり日射は違います。そのため、推定発電量の精度が低くなります。

 精度を高めるには、ストリングごとに日射や温度を計測するくらいのセンサーの配置が必要で、現実的には、ここまで投資できない場合がほとんどです。