電気工作物には「消耗品」がある

国内のメガソーラーには、海外製も急増しており、今後の劣化スピードに関して、大きなリスクがあるとの見方もあります。

大山 長年、太陽光発電所を担当してきた経験では、FIT前に国産メーカーが製造・販売してきたパネルは、20年以上経っても十分に発電している例が多い印象です。

 しかし、FIT開始後、国内に大量に設置された太陽光パネルには、同じような信頼性があるのかは未知数です。今後、メーカーの保証する経年劣化度合い(リニア保証)を超えるような発電量の減少が顕在化してくる可能性もあると見ています。

連系設備やパワーコンディショナー(PCS)の点検・保守に関しては、どのような点がポイントになりますか。

大山 連系設備やPCSに関しては、パネルと違った慎重さも必要です。パネルが数枚、故障しても全体で見れば発電量のロスは限定的ですが、連系設備が故障した場合、全量が売電損失になりますし、PCSの不良もそこにつながるパネル全部がロスになります。

 加えて、注意すべきなのは、連系設備やPCSは、精密な「電気工作物」であり、5年や10年で消耗する部品があるということです。

 PCSで言えば、ファンやフィルターは確実に消耗していきます。こうした部品を放っておくと、温度上昇によって安全装置が働いて停止するなど、思わぬ運転停止を招きます。例えば、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、年次点検のほか、5年ごとの精密点検を推奨しており、ファンやフィルターを交換しています。

 ウエストO&Mでも、まず自社グループのサイトに関しては、TMEICに依頼して5年を経たものから、精密点検を実施しています。自社サイト以外の顧客のサイトに関しても、こうしたスタンスで臨んでいます。

連系設備に関しては、どんな注意点がありますか。

大山 40年間、キュービクルなど連系設備を保安管理してきた経験から言うと、例えば、雷などによる異常電流の侵入を防ぐアレスタ(避雷器)は、定期的にチェックしないと、誘導雷の電流を抑えきれずに事故につながります。

 個人的な見解ですが、最近の雷は、かつての雷よりも強くなっており、アレスタの劣化によって、構内への異常電流の侵入を防ぎ切れないケースが目立ちます。

 このほか、高圧真空遮断機(VCB)など、定期的に真空漏れなどを確認し、基準値を下回った場合は、着実に交換する必要があります。

 PCSや連系設備は、止まってしまった場合の影響が大きいだけに、ある意味で、太陽光パネル以上に地道な「予防保全」が重要です。