「予防保全」の観点で5年ごとに交換

――エアフィルタはともかく、冷却ファンの寿命は5年程度なのですか。

TMEIC 使用・設置環境などの条件によってもかなり違うので、一概に言えませんが、一般的に工業製品は、一定期間を過ぎると、故障リスクが急速に上がってくる傾向があります。「予防保全」の観点から、6年目の精密点検では新品に交換することを推奨しています。

 エアフィルタの目詰まりは、応急措置として、塵を取り除くなどしてなんとか稼働を再開できますが、もし冷却ファンが故障で止った場合、新品と交換する必要があります。そのため予防保全として、定期的に点検や部品交換することで、売電のロスを極小化できると考えています。

――FITスタートから5年経ち、精密点検の時期が近づいています。発電事業者やO&M事業者は、こうしたPCS保守の重要性について、意識を持っていますか。

TMEIC PCSを納めた際、保守契約を結んでいただいた発電事業者やO&M事業者に関しては、まったく心配していません。ただ、保守契約を締結していない事業者も多いのが現状です。もちろん、発電事業者や委託されているO&M事業者が、メーカー推奨のメンテナンス計画をしっかり行っていれば問題はありませんが、そうでない場合も考えられますので、精密点検の重要性を喚起しているところです。

PCS本体のエアフィルタと冷却ファンは消耗品
PCS本体のエアフィルタと冷却ファンは消耗品
(出所:日経BP)
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