回路基板上に土埃が付着し交換したケースも
――TMEICをはじめとした国内メーカーの多くは、気密性の高いエンクロージャー(筐体)にPCS本体を設置し、筐体内をエアコンで温度管理する方式が主流です。しかし、取材でサイトを訪れると、倉庫やログハウスのような建屋内に設置しているケースもあります。
TMEIC 使用・設置環境によって消耗部品などの劣化速度に差が出てくるというのは、まさにそうした状況を指しています。PCS本体を納めた建屋内を外気で循環させるような状態では、当然ながら、フィルタの目詰まりは早まりますし、筐体内の温度が高くなると、PCSに使用される電子機器の劣化が早まります。
TMEICでは、PCSに関するフリーコールサービスを設置しています。ここに入ってくるトラブルの9割程度は、電話で対応方法などを説明することで解決しますが、1割程度はサイトに技術者が出向いて、原因を突き止めて対応しています。
その中に、回路基板上に土埃が付着したトラブルのため、交換したケースがあります。そのサイトではPCSを密閉性の高い筐体に収納していませんでした。修理するとともに、使用・設置環境を改善するようにアドバイスしました。
――フリーコールサービスには、どのくらいの問い合わせがあるのですか。
TMEIC これまで最も多かった月で約600件でした。この月は、台風や雷など自然災害によって引き起こされる、系統側の異常やパネル側の問題でPCSが停止してしまい、対応についての問い合わせが多かったからです。この件数は、他にも保守点検や機器購入、モニタリングシステムや技術的な問い合わせなどを含めた総数です。
すでに述べましたが、PCS停止時の対応についての問い合わせの多くは、「原因はわからないがPCSが止っているので、とりあえず電話した」などのケースで、9割は電話でのやりとりで、解決します。これまでのところ、フリーコールに相談があり、実際に何らかのトラブルのあったケースは、使用・設置環境に問題にあることがほとんどです。