――日本で2018年に稼働した出力約15MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の発電事業者から、「本当はジンコソーラー製を使いたかったが、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国における出力約1.177GWの「ギガソーラー」向けで出荷がタイトになっている時期で、希望する納期に間に合わないことがわかり、採用を断念した」と聞きました(前々回のインタビュー:世界最安「ギガソーラー」、2.42セント/kWhでも利益の出るワケ)。ギガソーラー向けの出荷の状況や、こうした採用の断念について、状況を教えてください。
こうした状況が生じてしまったのは、日本の顧客向けに限らず、世界各地の顧客向けも同様で、じつは2018年の出荷量の約11.6GWに対して、受注量は20GW以上に達しています。生産能力を考えると、元々納期の決まっていた案件から、約束した時期に出荷していくことになります。
このため、例えば、日本向けの2018年の出荷量は、引き合いがあっても増やすことができず、目標通りの出力800MWで終わりました。
生産能力を大きく超えた受注に対して、例えば、生産数量を少しでも増やしていくために、通常とは異なる手法で無理をしたり、OEM委託先を準備が不十分なままに増やしたりすることで対応していくメーカーがあるかもしれません。
われわれは、そうした手段は採りません。拡販していくことは大事ですが、われわれが作り込んだ品質を維持していくことも、同じように重要だと考えています。品質を下げかねないリスクを冒してまで、出荷量を増やすことはしません。
アブダビの「ギガソーラー」は(図)、2019年9月に完成します。連系に向けたテスト期間もあり、実際にはもう少し前に発電設備の設置は終ります。太陽光パネルの出荷は、ほぼ終わった状況です。