――アブダビの「ギガソーラー」は、砂漠に立地します。砂塵が太陽光パネルを覆いやすく、発電量への影響も大きそうです。地域的に雨水によって汚れが落ちる効果も小さそうです。稼働後の運営では、太陽光パネルを洗うのでしょうか。

ジンコソーラーの銭晶副社長
ジンコソーラーの銭晶副社長
(撮影:日経BP)

 二つの方法で、砂塵による発電量の減少を抑えようとしています。一つは、太陽光パネルに工夫を施しています。

 もう一つは、洗浄ロボットを採用します。水は貴重なので、この洗浄ロボットは、水を使わない手法で太陽光パネルをきれいにします。太陽光パネルの上を自動で移動しながら洗浄します。


――こうした太陽光パネルの工夫や洗浄ロボットは、はじめて使う手法ですか。

 太陽光パネルの工夫は、中国西部のメガソーラーで前例があります。中国の西部でも、同じように砂漠が多く、そこに立地しているメガソーラー向けに、この工夫を施した太陽光パネルを供給しました。

 ただし、この中国西部のメガソーラーでは、ギガソーラーで使う洗浄ロボットの活用を検討したものの、採用には至りませんでした。その理由は、中国西部の人件費がとても安いためです。洗浄ロボットを使わず、人手で洗浄しても採算が合うのです。

 今回は、この時に検討したロボットを採用します。中国の企業が開発・製造したものです。

――2019年の太陽光パネルの出荷目標を教えてください。

 世界と日本の両方とも、2018年に比べて出荷量を約50%増やすことが目標です。それを支える生産能力については、自社工場の設備も増しますが、「50%増」には追い付かないので、OEMによる調達量を増やす計画です。

 自社の生産拠点では、中国で年産1.5GWの「スマート工場」が完成しました。この分が、まず生産力に加わります。省力化を徹底した工場で、「スーパートップランナー・プログラム」でも採用されている「Cheetah」を生産します。

 このほか、中国で二つの工場を、米国にも年産400MWの工場をそれぞれ新設します。

――日本における高付加価値品の採用状況を教えてください。

 「Cheetah」は、すでに日本で多くの受注を獲得しているほか、すでに100MW分を出荷済みです。

――発電事業を手掛けているジンコパワー(Jinko Power)の状況を教えてください。

 稼働済みの自社グループの太陽光発電所は、中国国内で合計出力約3.5GW、その他の国で約2GWになります。