「1本杭」での実績を重ねる
技術・設計面での工夫や強みはありますか。
長谷川 すでに買取価格が日本よりも大幅に低下している海外で戦ってきたjuwiの持つ最先端のノウハウを生かしつつ、日本に合った設計・施工を行えることが強みです。「半分海外、半分日本」の良さを生かしています。再エネが広がるには、コスト削減が決定的に重要です。再エネの普及を企業理念に掲げるなら、コスト削減は最重要課題といえます。
こういうと「安かろう、悪かろう」でいいのか、との批判的なイメージを持たれることもありますが、「安かろう、悪くない」を目指しています。激烈なコスト削減を経験してきたjuwiにはこうした思想が根付いています。
その一例が、「杭基礎」です。juwi自然電力は、FITスタート当初から、杭基礎を多く採用してきました。いまでこそメガソーラーに杭基礎は一般的ですが、当初、日本企業の多くは安心感のある置き基礎が主体でした。
特にアレイ(太陽光パネルの設置単位)の南北方向を1本で支える「1本杭」は不安視されました。日本の土木業界には、「表層地盤には頼れない」との風潮もあります。しかし、juwiが蓄積した地盤の評価ノウハウを活用し、地道に施工例を増やしてきました(図2)。稼働して数年たっていますが、問題ありませんし、他社の採用例も増えました。
日本のメガソーラーは、林地開発制度を活用した山間エリアの案件も多いのが特徴です。こうした立地での知見はjuwiにありますか。
長谷川 juwiは英国などで斜面に設置したケースもあります。ただ、やはりこれほど土木工事が多くなるメガソーラー建設は日本の特徴と思います。「juwiのノウハウを生かしつつ、日本に合った設計を行う」と言ったのはそうした背景があります。