電気事業法での対応が理想

緊急に対応しなければいけない問題としては、斜面に造成して、山崩れや土砂災害を引き起こしかねない例や、基礎や架台、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の構成など、強風などに対する耐力が不十分で、飛散しかねない例への対応があります(図1)。

図1●西日本豪雨で崩壊した斜面設置の太陽光発電所
図1●西日本豪雨で崩壊した斜面設置の太陽光発電所
(出所:日経BP)
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大関 そうですね。O&Mのなかでも、安全にかかわる項目に関しては、自主的な取り組みに期待するだけでは限界もあります。極力、早く対応していくことが重要で、とりわけ、近くに住宅街があるような場所では、緊急性があります。

 こうした問題のある太陽光発電所を、どのように是正させ、補強させていくのかは、今後、数年の間に固めていかなければならないことだと思います。

 現在のところ、この問題への有効策は、行政による取り締りの強化以外にはないように予想しています。

 その際の法律面の裏付けとして、FIT法単独では難しく、FIT法における認定時の要件である「他法令の遵守」に関する違反で取り締まるしかないでしょう。ただ、その場合、自家消費型や「卒FIT」案件など、FITによらない太陽光は対象から外れることになります。

経済産業省は、斜面設置の太陽光などに関し、電気事業法に基づく安全強化策を検討しています。

大関 そうですね、やはり望ましいのは、電気事業法で対応できるように解釈を変えることです。その方が、法律面の対応は楽になります。電気事業法が、発電設備の電気的な安全性だけでなく、発電設備やその設置場所を含めて、他者への加害の可能性とか、火災の可能性とか、飛散の可能性に対処していないことを問えるようにするような文脈です。これを遡及的な運用で既存設備にも適応していくことは、不可能ではないと感じます。