――2018年の太陽光パネルの出荷目標を教えてください。

 2017年の約10GWから、2018年は13~14GWに増える予定です。現在の受注の状況を見ると、この数量は達成できると思います。

ジンコソーラーの銭晶副社長
ジンコソーラーの銭晶副社長
(撮影:日経BP)

 太陽光パネルの生産能力は、2017年第3四半期時点で年産約8GWでした。これを約13.5GWに増強し、年14GW近い出荷が必要な受注に対応できるようになります。

 日本向けは、現状のところ、2017年とほぼ同量の約700MWを見込んでいます。「現状のところ」というのは、再エネ政策や運用ルールの変更などによって、産業用が大きく増える可能性があるためです。

 2018年の日本向けの出荷量が、現状見込みの約700MWから、最大で約900MWまで、増える可能性があると見ています。この約200MWの上振れは、産業用となります。

*注:「政策や運用ルールの変更」とは、「コネクト&マネージ」の導入(関連ニュース:2018年度に「C&M」第2弾、大規模案件で系統に「新たな空き」もエネ庁、「日本版C&M」に備え、電力系統の情報開示を徹底へ)、連系出力が2MW以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)に関する入札制度の「没収」などに関する要綱の改善(関連ニュース:第1回太陽光入札、5件の落札を取り消し、保証金没収を嫌う?)などを指すとみられる

――現在の品種別の出荷状況を教えてください。とくに高付加価値品の状況に関心があります。

 2017年の出荷量見通しの約10GWのうち、約7割が多結晶シリコン型、残りの約3割が単結晶シリコン型でした。多結晶シリコン型が多くを占めている理由は、世界各地で多結晶シリコン型の方が、発電プロジェクトへの融資を受けやすい状況になっているためです。

 両面ガラスの太陽光パネルでは、モンゴルの農地を活用したプロジェクトなどで実績があり、採用が増えています。