風力発電も次の柱に
――再エネのなかでは、今後はどの電源に注目していますか。

阿部 これまでは95%が太陽光でした。今後も、太陽光は柱の1つですが、売電単価の低下によって、事業性の成り立つ立地が減っていくことは確かで、メガソーラーだけに依存するのは限界になってきます。
そこで、まず、風力をもう1つの柱に育てつつ、バイオマスや地熱発電にも取り組んでいきます。
すでに新潟県三条市でバイオマス発電所が稼働しているほか、青森県新郷村で風力を建設中で、鹿児島県指宿市の地熱プロジェクトにも投資しています。発電量の安定した地熱や洋上風力はたいへん魅力的で、時間はかかりますが、地道に取り組んでいきたいと思います。また、長期的にみれば、アジアの国々で再エネ開発に乗り出すことになるでしょう。
再エネの開発は、たいへんに地道な仕事です。FITがスタートして大企業も多く参入しましたが、今でも開発を継続している企業は少なく、大手商社も稼働済み案件を売却する動きなっています。用地交渉など地域社会と密着して取り組む必要があり、こうした手間のかかる作業は、大手より中小企業が向いている面もあります。