地域社会の「勇気」と「英知」
――地域の小学校を訪れ、環境教育にも取り組んでいます。「地域貢献」をうたいながら受け身に終わっている企業が多いなか、積極的に出前授業を続けています。

阿部 メガソーラーの建設に至るまでには、多くの地域の人たちと話をします。歴史のある古い土地が多く、そこの広大な土地に大量の太陽光パネルが並び、風景が変わります。保守的な地域の人たちが受け入れてくれるどうか、当初、心配しました。
しかし、ほとんどの地域の人たちは積極的に受け入れてくれました。そこには、地域の持つ「度量」のようなものを感じました。長年、住んできた土地に新しいモノを受け入れる「勇気」や「英知」とも言えます。
そこで、地域社会への恩返しの意味もあり、再生可能エネルギーの意義や将来像をしっかりと伝えたいと考えたのです。
特に地域の子供たちは、20年間、メガソーラーのある風景を見続けながら、大人になることになります。こうした子供たちが、「太陽光発電所のある町」として誇れるようになって欲しいのです。
当初は、こちらから提案しても、平日の授業時間はもらえなかったので、休日のイベントなどに出向いたりしていました。しかし、いまでは多くの地域で、平日の時間に環境学習を行えるようになりました(図3)。
こうした活動は、今後も各サイトで続けていくつもりです。20年後、子供たちが大人になる頃には、メガソーラーの建設は、地域の「歴史」になっています。200カ所のサイトで、再エネの意義を正しく伝え、地域の人たちと一緒に「歴史」を造っていければ、素晴らしいことですし、やがて、ネットワークとしてつながっていくはずです。
メガソーラーなど再エネの開発は、地域と共に未来を支えるインフラを作っている、という実感があります。スパークス・グループでは部門の枠を超えて、環境教育に参加してくれる社員も多く、社内の交流を深め、会社の将来像を共有できる、良い機会にもなっています(関連記事)。