同社は以前から、こうした戦略を強化する方針を示してきた(「パネルメーカーからソリューション企業に転換へ」、トリナ・ソーラーの高紀凡会長)。今回、より広範な範囲で事業の枠組みなどを発表した。

 太陽光パネル大手各社は近年、コスト競争が激しく、継続的な設備投資の必要なパネル製造・販売事業を、川下の分野の事業、とくに長期的に安定した収益を見込める発電事業や発電所の開発・売却で支えるという収益構造になりつつある。

 同社も、太陽光発電プロジェクトの開発に積極的で、2018年1月時点で、世界各地で開発した合計出力約2GWの太陽光発電所が系統連系ずみとなっている。おもに中国、英国、米国などで開発している。

 今後は、太陽光パネルだけでなく、例えば、発電システムを構成する他の主要機器・資材・IT(情報技術)まで提供する。これにより、発電事業者やEPC(設計・調達・施工)サービス事業者は、パネルの性能をより引き出す発電システムを、設計の負担とコストを軽減しながら導入できるという。また、発電ロスを最小化するITシステムや遠隔監視システムにより、O&M(運用・保守)の負荷も軽減するとしている。

 また、太陽光発電を活用したマイクログリッド分野でも、太陽光や蓄電池、電気自動車(EV)などの連動、電力の需給バランスを改善するIoTの提供など想定している。

 とはいえ、こうした戦略に必要な技術のうち、トリナ・ソーラー自身が強みを持つ範囲は限られる。そこで、幅広い分野の企業や研究機関と提携し、開発や事業化を進めていく。

 例えば、マイクログリッドなどの単位まで、電力網全体の発電・蓄電・需要を最適化できる統合的なシステム基盤「Trina IoT」は、米IBM、米アクセンチュア、独シーメンスのほか、中国のIT関連のアリババ、ファーウェイ、電力系やIT系の研究機関などと組んで技術の実証や事業展開に着手する(図2)。

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図2●電力網全体の発電・蓄電・需要を最適化できる統合的なシステム基盤
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図2●電力網全体の発電・蓄電・需要を最適化できる統合的なシステム基盤
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図2●電力網全体の発電・蓄電・需要を最適化できる統合的なシステム基盤
「Trina IoT」の概要(出所:日経BP)