これまで、マイクログリッドの制御システムでは、欧米の大手IT・電力関連企業が開発を主導してきた。トリナ・ソーラーは、こうした分野で実績のある企業と組むことで、中国でいち早く市場を立ち上げつつ、主導権を取ろうとの狙いがある。一方、欧米の大手企業にとっても、中国という巨大な市場に足場を築ける利点がある。

 トリナ・ソーラーの構想するマイクログリッドのシステムでは、太陽光発電などの分散電源と蓄電システムの運用状況、天候や需要など電力需給に関するデータをクラウドコンピューティング上に蓄積・処理して統合的に運用していくイメージを持っている。

 そこに必要な「クラウドコンピューティング」、「蓄電システム」、「遠隔監視・制御システム」、「産業用と住宅用の太陽光発電システム」などの要素技術に対しても、有力企業などと提携しながら関連技術やシステムを一括で展開していく方針を示した。

 高会長は、「ブロックチェーンなどを活用し、複数の太陽光発電所を束ねて仮想発電所(VPP)のように運用する技術については、北京など5都市で構築していくことが決定した」ことを明らかにした。

 加えて、中国の100万棟の施設や住宅に、太陽光発電と蓄電池を設置し、クラウドコンピューティングを活用しながら統合的に運用していく計画も明らかにした。高会長によると、2018年末までに、このうち10万棟に実装される予定という。

 トリナ・ソーラーは、自社で保有する設備や資産などをできるだけ少なくする「ライト・アセット」の戦略を採る。新分野への取り組みに関しても、自社で手掛ける分野と、提携先の力を借りる分野をわけ、メリハリをつけているようだ。

 例えば、蓄電システムについては、蓄電池はOEM(委託元ブランド品の受託生産)を活用しながら自社で手掛けている(図3)。日本でも産業用と住宅用の両方に展開しており、住宅用ではすでに販売実績があるとしている。

[画像のクリックで拡大表示]
図3●蓄電システムもクラウドを活用して統合制御
図3●蓄電システムもクラウドを活用して統合制御
自社ブランドで展開をはじめている(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、産業用の太陽光発電システムの主要要素の一つと位置付ける、追尾型の架台ではスペインNclave Renewable社と提携した。追尾型の架台については、当初は自社で開発を進めていたものの、事業化への障壁が高かったことから、提携戦略に切り替えた。