追尾型の架台はNclave Renewable社、PCSは中国のファーウェイ、Sungrow Power Supply社の2社と提携し、供給していく。

 遠隔監視システムについては、PCSの発電量のデータをクラウドコンピューティング上に送信して分析し、いち早く不具合を発見・通知することで、運用の効率向上に寄与するとしている。

 ただし、日本市場では、PCSを含まずに展開する。PCSと遠隔監視システムは、最適化して開発しているため、日本では遠隔監視システムの提案も見送る公算が高い。

 また、日本は他国に比べて土地に限りがあるため、地上設置型に追尾型も提案しない。一方で、ため池の数が多いことから、水上型の拡販に期待している。

 水上型では、池の水面に太陽光パネルを浮かべるフロートや係留まで、同社が開発した資材や技術を提供する。

 フロートでも海外と日本の展開に違いがある。海外では、広く採用されているフランスのシエル・テール・インターナショナル製に似た、樹脂部材を連結して構成したフロートを供給する。

 これに対して、日本では、樹脂部材が比較的少なく、地上設置型の架台に似た構造体を水面に浮かべる方式のフロートを採用した(図7)。日本で開発・製造するフロートという。

図7●地上設置型の架台に似た構造のフロート
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図7●地上設置型の架台に似た構造のフロート
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図7●地上設置型の架台に似た構造のフロート
アルミの支柱に太陽光パネルを固定(出所:トリナ・ソーラー)

 レールのような細長いアルミの支柱を縦横に組み、「浮き」のような役割を担う樹脂の中空部材を取り付ける。地上設置型と同様、設置角に傾けたアルミ材に太陽光パネルを固定する。この構造から、設置角も選択できる。

 今春、日本の都内で開催された展示会では、日本向けのフロートを展示していた(図8)。この展示では、灰色系と緑色系の樹脂部材で構成していたが、実際には灰色系のみで展開する。灰色系の方が、太陽光をよく反射し、両面ガラスや両面発電の太陽光パネルが取り込む光の量が増えるためとしている。

図8●都内の展示会に出展したフロート
図8●都内の展示会に出展したフロート
この時には灰色系と緑色系の樹脂部材で構成して出展。実際には灰色系の樹脂部材で構成する(出所:日経BP)

 日本向けに異なるフロートを採用した理由は、設置環境の違いによる。海外の水上型の太陽光発電所は、湖などに導入されることが多い。これに対して、日本では、農業用のため池が多く活用されている。

 農業用のため池は、田んぼなどに水を供給する役割を担う。食に関わる水であることから、安全・安心が最優先となることを考慮し、樹脂部材を少なくし、日本製を採用したという。

 樹脂製の部材は、一定の間隔を空けてアルミの支柱に固定する。太陽光パネルの前後に位置し、パネルと水面の間には樹脂部材は入らない。この構造によって、夏季の発電量が増える利点も期待できる。

 太陽光パネル直下の空間を風が吹き抜けることから、樹脂部材とほぼ密着するように固定するタイプのフロートに比べて、冷却効果が高い。結晶シリコン型パネルは、高温時に変換効率が下がる特性があるため、夏季の高温時に、発電量の目減りを抑える効果を期待している。