「両面発電」で10~30%上乗せ

これらの課題が克服できたのですか。

Liu 1つ目の製造設備に関しては、中国の製造装置メーカーなどと連携して、適切な精度を実現できるコストパフォーマンスの高い製造装置を導入しました(図1)。真空やクリーン度は情報デバイス向けほど高めていませんが、太陽電池には十分な品質を確保できます。

図1●N型モジュールの製造現場
図1●N型モジュールの製造現場
(出所:Jolywood Solar Technology)
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 2つ目の製品戦略に関しては、N型技術の特徴を生かして、両面ガラスの両面発電モジュールを基本にしています。裏面でどのくらい発電量を稼げるかは、地表面の状態によりますが、表面の発電量の10~30%を上乗せできます。

 例えば、表面で300W/枚のモジュールであれば、最大で約90Wの発電量を加算できることになります。設置角を大きくとったり、積雪地域など反射しやすい環境であれば、さらにコストパフォーマンスは高まります。

 3つ目のサプライチェーンに関しては、単結晶のシリコンウエハの製造に加え、銀ペーストやガラスなど、主要材料のすべてが中国国内で調達できるようになりました。HITやIBCの製造では、海外からの調達品も多いと考えられます。Jolywood Solarでは、中国内でサプライチェーンが完結しているので、国内企業と密接に連携することでコスト削減を進めやすくなっています(図2)。

図2●N型モジュールの製造工程
図2●N型モジュールの製造工程
(出所:Jolywood Solar Technology)
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