小規模のプロジェクトにも利点
――小規模の発電所でも、特定目的会社(SPC)を設立していますか。
プロジェクトによります。コーポレートファイナンスで賄う発電所であれば、SPCは不要です。また、いくつかのメガソーラーを束ねるようにして一つのSPCで開発・運営することもあります。
例えば、プルデンシャル・ファイナンシャル・グループから調達した資金は、複数のメガソーラーを束ねて合計21MWとし、その開発に充てました。
こうした例外はありますが、基本的に一つのメガソーラーを、一つのSPCで開発・運営する方針を採っています。
――小さいものでは、出力約1MWといった案件も開発しています。日本でプロジェクトファイナンスで資金調達している事業者の多くは、10MW以上の開発効率の高い規模に特化し、それ以下を避ける傾向があります。
一般的に、大規模な太陽光発電所は、小規模案件に比べて、事業の効率が高いことは確かです。1MWでも20MWでも、必要な業務や手間はほぼ変わらないからです。
一方で、小さなプロジェクトを積み重ねていく利点もあります。例えば開発期間が短いので、短期間で経験を積めます。日本で約20カ所を開発しているので、20通りの経験を積んでおり、その知見を次の開発に生かせます。
技術の変化に対しても、有利です。例えば、海外で先に経験したことを、日本でも採用したいと考えた場合、小さなプロジェクトであれば、施工までの期間が短いため、すぐに導入できます。