先行して「鶏糞発電」の計画が進む
――人口1万人に満たない町に、これだけ大規模の太陽光発電所が集中的に建設されるのは、全国でも例がないと思います。再生可能エネルギーの誘致に積極的に取り組むことになったきっかは何ですか。

山本町長 2012年7月に固定価格買取制度(FIT)が施行される前から鶏糞処理施設の誘致を検討してきました。岩手県は鹿児島県と宮崎県に次ぐブロイラー産業の盛んな地域で、特に北部に養鶏場が集中しています。
FITの施行は、町にとって再エネによる地域づくりを進めるうえで千載一遇のチャンスです。養鶏事業者にとってバイオマス発電の事業性が高まったこともあり、軽米町に鶏糞発電施設を建設することになりました。鶏糞の処理に困っていることもあり、軽米町に鶏糞を燃料にしたバイオマス発電所を誘致できれば、養鶏場の立地にも有利です。
こうした流れの中で、たまたま養鶏団地向けに開発したエリアが、計画変更などから使われないことになり、岩手県の紹介でつながりのあったメガソーラー事業者に相談したところ、太陽光発電の立地にはたいへん向いていると分かりました。