緩やかな山並みでメガソーラーに向く

――軽米町の8割は山林が占めます。これまで岩手県の再エネ開発というと、農畜産業と共存できるバイオマス発電や風力発電が中心だった印象があります。

図1●「軽米西ソーラー発電所」の建設予定地。緩やかな山並みが多い(出所:日経BP)
図1●「軽米西ソーラー発電所」の建設予定地。緩やかな山並みが多い(出所:日経BP)
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図2●「軽米西ソーラー発電所」の完成予想図(出所:レノバ)
図2●「軽米西ソーラー発電所」の完成予想図(出所:レノバ)
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山本町長 町の基幹産業は農林業ですが、林業については安い外材に押されて疲弊しています。もともと山並みが比較的、平坦なこともあり、多目的に利用できないか、以前から検討していました(図1、図2)。

 日照時間は全国平均に比べて長く、気温も太陽電池の変換効率が下がるほど高温になりません。町内には特別高圧線が2本通っているため、連系費用も比較的安く済む可能性があります。

 林業の衰退で手入れの行き届いていない林地は多く、大規模な太陽光発電所を建設できる余地は大きいのです。

 メガソーラーなど再エネの大規模開発は、国や県が推し進める温暖化対策に貢献できると同時に、地域経済への波及や雇用創出など地域活性化につながります。

 日本は化石燃料の輸入に年間28兆円も支払っていますが、技術の進歩によっては、再エネで電力の30%程度を自給できるようになると感じています。その分、国富の流出が防げますし、国内に仕事が増えます。これからの地方活性化は再生可能エネルギーと農業だと思います。