――中国の太陽光パネル大手各社は、従来主力だった多結晶シリコン型の汎用品に加えて、効率や信頼性をより高めた新製品を拡販する方向を目指しています。トリナ・ソーラーでは、高効率・高信頼のタイプの販売実績は、どの程度まで高まっていますか。
2017年の出荷実績・約9GWのうち、約10%が単結晶シリコン型になっています。また、2年前に販売を開始した両面ガラス型の出荷実績は、1GW以上まで拡大しています。
両面ガラス型の出荷先は、量が多い順に、中国、日本、オーストラリアとなっています。
日本では、いちごが2018年3月に稼働した、岡山県笠岡市の農業用ため池を活用した出力約2.64MWの水上メガソーラー(大規模太陽光発電所)などで採用されています(関連ニュース)。
展示会などで発表している「ハーフセル」を使った製品などは、2018年から納入が始まるため、まだ出荷実績はありません。
日本向けの両面ガラス型の出荷は、2018年に増えてくる予定です。規模の大きな太陽光発電所から採用されており、その納入が始まるためです。
両面ガラス型に対する需要の高まりは、水上や屋根上の発電所で、とくに感じています。また、同じ両面ガラスでも、裏面も発電できる「両面発電」タイプへの関心が高いことも実感しています。両面発電タイプの生産能力は、年300MWに高めています。
水上では、両面ガラス型で長期信頼性を高めた製品を採用するのであれば、さらに一歩進めて、両面発電タイプで水面からの反射光も利用して発電量を上乗せすることで、事業性を高めたいと考える顧客が増えています。
一方、屋根上では、両面ガラス型は安全性の向上を目的にした採用が増えています。裏面を樹脂製のバックシートの代わりに、ガラスで封止していることで、火災時に太陽光パネルに燃え移りにくくなる効果が評価されています。