シートのサポートで地面を被覆

――シートを併用するカバープランツ植栽工法では、どんな植物が使われますか。

佐治 シート植栽は、まず、透水性の高い植栽に適した防草シートを敷設します。シートに複数の切り込みを入れて穴を掘り、苗を植え付けます(図910)。シート自体の効果に加え、植物が被覆することで、より雑草を抑止する効果が高まります。

図9●植栽シートに穴を空けて植え付ける
図9●植栽シートに穴を空けて植え付ける
(白崎コーポレーション)
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図10●植栽した直後の様子
図10●植栽した直後の様子
(白崎コーポレーション)
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 この工法には、地下茎でなく、地面の上にほふく茎が伸びるタイプの植物が適しています。古くから土壌流出を防ぐ目的で法面に使われましたが、公園内の緑化などにも取り入れられ始めました。代表的な植物は、シバザクラやツル植物、ヘデラなどがあります。

――植栽シートがないと、被覆まで至らないのですか。

佐治 シートを使わない場合は、植える苗を4~5倍程度まで大幅に増やし、間隔を狭くしないと、被覆する前に雑草に負けてしまったり、管理が大変なため、現実的には、植栽シートとの併用が基本になっています。

 導入実績の多い植物は、シバザクラ、ヒメイワダレソウ(リッピア)、ヘデラ、ニシキテイカ、ビンカマジョール(ツルニチニチソウ)、タイムロンギガウリウスなどです。

 シバザクラは年間を通じて常緑で4~5月に淡い紫の花を付けます(図11)。耐暑性は高く、短期間で密生するため、雑草の侵入が少なく、地被効果が高い上、半日陰でも繁茂します。

図11●開花したシバザクラ
図11●開花したシバザクラ
(白崎コーポレーション)
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 植栽シートには、1m2当たり4~6ポットを植え付けます。植栽後は、特に管理不要ですが、生育が旺盛で枝が込み合うこともあり、春先に地際で刈りこむ作業が推奨されます。