1m2に4~6の苗を植栽

佐治健介氏
佐治健介氏
(緑地雑草科学研究所・事務局長、白崎コーポレーション)

 ビンカマジョール(ツルニチニチソウ)は、ツル植物で、4~5月に株元から伸びる枝に桔梗のような淡い紫の花を付けます。基本的に常緑ですが、関東以北は、落葉することがあります。耐暑性に優れますが、耐寒性と耐潮性にやや劣る性質があります。

 植栽シートには、1m2当たり4~6ポットを植え付けます。生育が旺盛で枝が込み合うこともあり、春先に地際で刈りこむ作業が推奨されます。

 タイムロンギガウリウスはハーブの一種で、4~5月に桃色のマリのような丸い花を付けます(図14)。常緑で耐寒性、耐乾燥性が高く、九州北部から北海道にも植栽可能です。ただ、高温多湿に弱いため、蒸れて枯れる恐れもあるので、通気性の確保が重要になります。

図14●開花したタイムロンギガウリウス
図14●開花したタイムロンギガウリウス
(白崎コーポレーション)
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 植栽シートには、1m2当たり4~6ポットを植え付けます。成長して込み合ってくると、蒸れによって枯死部分が目立ってくるので、その部分は取り除き、込み合っている部分は刈り込むことが必要になります。

――植栽シート工法は、シート施工が必要な分、初期投資が上がりませんか。

佐治 大雑把に言って、シートの施工費は1000円/m2程度で、これに苗の値段が加わります。例えば、ポット苗1株の相場は、シバザクラで140~200円、ヒメイワダレソウで220円前後、ヘデラで200~290円、タイムロンギガリウスで280円前後と言われます。

 シートを使えば、1m2当たり4~6ポットなので、2000円/m2前後になり、芝の施工費と同じような水準になります。

 ただ、芝やササに比べると、シバザクラなどきれいな花を付けるものもあるので、ひと目に付くような場所にあり、美観を重視するメガソーラーに向いていると思います(関連記事:「防草だけじゃもったいない!マルチで環境改善を」、緑地雑草科学研究所に聞く=第6回・前半)。

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