スペインでは2~3%

とはいえ、出力制御を実施した日は、今年3月に17回、4月には19回と急増しています。この勢いで増えていくと、数年後には「30日ルール」の上限である1サイト30日に到達してしまう可能性も感じます。

安田 3月、4月と制御実施日が急増していますが、日数だけで出力制御率を推測できないので、いまのところ何とも評価できません。というのは、大規模な太陽光発電所は、九電が遠隔制御できるので、最も需給バランスの厳しい正午前後だけ抑制しているケースもあります。日数のイメージほど抑制量は多くない可能性もあります。

 ただ、いずれにせよ、少しでも早く、出力制御率のデータを公開してくれるように望みます。国内では1カ月遅れで公開することが普通ですが、海外では、翌日には、抑制量を公表しているケースもあります。

経産省の有識者会議(新エネルギー小委員会・系統ワーキング)では、接続可能量(30日等出力制御枠)を算定する際の試算値で、無制限無補償の出力制御条件で接続した「指定ルール」事業者の場合、太陽光の導入が進むと、10~20%という出力制御率になるケースも示されました。

安田 日本では、「30日ルール」の事業者は最大でも出力制御率が8%ですが、指定ルール事業者は、二桁の出力制御率になる可能性が高いと示されました。世界的に見ると、再エネ大量導入により、こうした高い出力制御率になるなどいう見方はありません。

 例えば、アイルランドは、面積や人口、電力需要、系統規模で北海道と近いのですが、風力を中心に再エネ比率が30%に達しています。北海道の約20倍もの導入量です。それでも出力制御率は5%をやや超えた程度です。

 この「5%」という出力制御率は、欧州では高い方で、スペインでは、2~3%程度に収まっています(図1)。風力・太陽光の大量導入で先行した欧州では、系統運用ノウハウを蓄積しながら、出力制御率を5%程度に抑えていこうというのがコンセンサスになっています。EU指令で、出力制御量を最小限に抑えていくことが文書で示されています。

図1●出力制御の各国比較
図1●出力制御の各国比較
(出所:経済産業省・系統ワーキング資料)
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