植生高「30cm」を基準に刈り払う

伊藤(幹) もちろんコストを度外視し、刈り取りの頻度を極端に増やせば、草の再生量は徐々に減っていきます。例えば、多年生イネ科のセイバンモロコシは繁茂すると1m以上にもなり厄介な雑草ですが、年6回も頻繁に刈り取れば、再生率は3%まで下がりほぼ除去できます。しかし、ここまで手間とコストかけることは現実的ではありません。

 防草の目的は、本来、雑草被害の発生防止とその対処費用の削減です。メガソーラーのような新しい造営物地で、いかに費用対効果の高い雑草管理を行うかは、これまで蓄積されてきた雑草に関する知見を生かしながら、科学的に対応していくことが必要です。

とはいえ、一般的な太陽光発電事業者は、雑草に関する知見がほとんどなく、短期的に安く手近な方法として、機械除草を選んでいるのが実態です。次善の策として、機械除草単独で対応するとしたら、どんな手法が推奨されますか。

伊藤(幹) そうしたニーズがあることも理解できます。そこで、緑地雑草科学研究所では、メガソーラー向けに刈り取り単独による雑草管理基準を考案してみました(図2)。

図2●メガソーラーを想定した「刈り取り」による雑草管理の基準
図2●メガソーラーを想定した「刈り取り」による雑草管理の基準
(出所:緑地雑草科学研究所の資料を基に日経BP作成)
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 まず、メガソーラーの敷地内とフェンス外縁部などの施設外は、別の基準で対応します。刈り取りのタイミングは、雑草の植生高(平均的な高さ)を基準にし、施設内は30cm、施設外は20cmになったら、地上部を刈り払うことを基本にします。

 施設内であれば、刈り取り後、雑草が30cmまで再生したら、再び地上部を刈り払います。つまり、植生高を30cm以上に放置しないことを目指します。そして、刈り取った草はすべて敷地内に残置し、外部に搬出しないことを原則にすべきです。廃棄物となって処理コストがかかりますし、焼却するよりも土に戻すほうが環境的にも好ましいからです。