――日本政府がはじめた「非化石証書」(関連ニュース)は、再エネクレジットとして利用するのに適した制度と考えますか。また、石炭火力による安価な電力と非化石証書を組み合わせるといった場合でも、「再エネ電気」とアピールできます。こうした状況に対する見方を教えてください。
まず、日本の非化石証書は、発電電力の起源が不明瞭な制度となっています。
信頼できる再エネ電力市場の実現には、発電電力の起源を信憑性のある形で確保できる、もしくは、確証したり、実証できなければいけません。どの再エネ発電所で発電した電気なのか、把握できなければならないと考えています。どの発電所の電力を調達してきたのか、その起源を保証するのは基本です。
また、日本の現在の制度では、再エネ電力を調達しようとすると、高価になりすぎます。
こうした状況を含めて、現在の日本の制度は複雑です。もっと市場を開いて、発電事業者から直接、再エネ起源の電気を買えるようになれば、より経済的になり、事態は改善するでしょう。その気になれば、可能だと思いますし、期待しています。
――経済規模に比べて日本企業のRE100への参画はまだ少ないと思います。この状況は変わりそうですか。
RE100は、2015年に発足したまだ若い組織です。少人数で立ち上げたために、さまざまな面で時間がかかりました。日本には、2017年にようやく訪問した段階で、認知の向上が遅れています。日本企業側に理由があるわけではありません。
日本では7社が参画していますが、今後3週間以内に、また新たな日本企業の参画を発表できる見込みです。今夏には15社に増え、2020年に50社に増える見込みです(関連ニュース)。
指数関数的に参画企業が増えている状況で、これから人数を倍増しますので、今後は状況が変わってくるでしょう。
再エネ電力導入の技術的な面に関しては、旧来の電力系統をそのまま使っている割には、うまくいっていると感じています。