2016年までの中国の設置市場はほぼ集中型によるもので、同年に分散型の市場が急拡大し始めた。

 このように、今回の政策変更で「導入割り当て」が中断された集中型の新設は、元々急速に減っていくことが予想されていた。2018年以降の中国の固定価格買取制度(FIT)は、主に分散型が想定されており、縮小の規模や速度が大きいことを除けば、政策変更による影響は、ある程度予想されていたともいえる。

 BNEFは、中国の政策変更の可能性として、2018年に「導入割り当て量の変更」、2019年に「FITの買取価格の低減」に及び、このほかにも、時期を明示せず「地域別の抑制」などを挙げていた。

 これに対して、5月末に発表された政策変更は、「導入割り当て量の変更」と「FITの買取価格の低減」の両方だった。このため、設置市場により急激なブレーキがかかると予想される。

 「導入割り当て量」については、分散型の太陽光発電設備の合計出力を約10GWに絞り、かつ、地上設置の集中型への割り当てを中断した。

 BNEFは、例えば、2018年の中国の地上設置型の市場に関し、「導入割り当て量」が変更されるだけで、同社の当時の予想よりも出力約1.6GW分、減る恐れがあると見ていた。

 導入割り当て量の縮小幅が大きくなることが予想されている上、買取価格の縮小まで加わったことから、同社の予想も超えて、前の年から20GW規模も設置市場が縮小するという予想も出てきている。

 BNEFは、送電網が十分に整わず、需要が限られている西部ほど実際の設置に関してリスクが高く、この両方が揃っている東部ほどリスクが少ないと分析していた(図3)。

図3●中国の政策変更にともなうリスク
図3●中国の政策変更にともなうリスク
地上設置型は西部ほどリスクが高いと予想(右)。Bloomberg New Energy Finance(BNEF)が3月に予測(出所:日経BP)
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 こうした中国の政策変更による設置市場への影響として、太陽光パネル価格の急落が予想されている。中国で行き場を失った太陽光パネルが、世界各地にこれまで以上に安価で出回る可能性がある。

 例えば、BNEFは7月に、2018年の太陽光パネル価格の予想を修正し、これまで2017年比27%下がるとの予想を、同34%まで下がり、2018年末の世界のパネル平均価格は24.4米セント/Wまで下がるという見通しに修正した。中国の政策変更による影響とする。

 一方で、太陽光発電のコストがさらに低減する要因ともなる。設置コストがもう一段下がれば、とくに新興諸国への導入が加速される。インド、中東・北アフリカ、中南米などが、これに該当する。これらの新興市場の拡大が前倒しされることによって、世界の設置市場において、中国の減少分をどこまで補えるのかも注目される。