太陽光パネル大手であるカナディアン・ソーラーは、世界各地でメガソーラー(大規模太陽光発電所)を積極的に開発・運営する企業でもある。同社の場合、日本国内の発電所の開発でも海外で培った多様な金融手法を活用しているほか、2017年にはグループの投資法人が東京証券取引所のインフラファンド市場に上場し、資金調達の手法をより多様化している(上場時の関連ニュース)。国内で太陽光発電所の開発・運営を担う日本法人、カナディアン・ソーラー・プロジェクト(東京都新宿区)のジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長に聞いた。

カナディアン・ソーラー・プロジェクトのジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長(撮影:日経BP)
カナディアン・ソーラー・プロジェクトのジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長(撮影:日経BP)

――日本国内では、数百kWから50MW規模まで幅広い出力規模の太陽光発電所を開発し、稼働済みの発電所が毎年100MW程度で増えるペースと聞きます(前回のインタビュー)。現在までの実績を教えてください。

 5月に山口県美祢市の出力56.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働を開始したことで、稼働済みで運営中の太陽光発電所は合計出力85.6MWとなりました。このほかに、売却した発電所が合計出力81MWあります。

 現在、建設中・開発中(パイプライン)の発電所は合計出力351.3MWとなっています。

――固定価格買取制度(FIT)の改正によって、2017年秋にはじめて実施された特別高圧案件の入札に参加し、広島県で出力約18MWを開発する権利を落札しました(関連ニュース)。国内の多くの発電事業者が、既存の認定・連系承諾済み案件の購入による開発を目指す例が多い中で、今後も入札による開発も続けていく方針でしょうか。

 われわれの場合、新たに開発を手掛ける案件も重要ですが、その前に、まだ多くの開発中の案件を抱えています。小規模から大規模まで、さまざまな発電プロジェクトの開発が決まっています。これをしっかりと実現に向けて進めていきます。

 そのほかに、新たに加わってくる案件として、他社が開発中のプロジェクトを買収したり、入札制度を活用して開発する案件があります。

 2017年秋の入札で落札した、広島県の案件の開発を進めていくとともに、次回以降の入札でも、しっかりと応札できるように準備を進めていく予定です。