集中型に含まれているトップランナープログラムは、貧困削減プログラムと同じように、政策変更後も重点的に進めていくことが決まっています。中国の中央政府が、新しい高効率な発電設備の技術の事業化や、高効率に生産できる工場の建設を促すことを目的としたプログラムです。
トリナ・ソーラーは、トップランナープログラムの2018年の入札分で出力500MW分を落札しています。この落札は太陽光発電所の設置に関する権利です。ただし、発電事業の権利を取得するには、その裏付けとして、高効率な発電設備を製造する新たな工場を建てることが条件となっています。
トリナ・ソーラーが2018年に落札した500MWについては、2019年に設置されます。そこではN型単結晶シリコンタイプの両面発電パネルを使う予定です。これだけで、このタイプのセル(発電素子)とパネルに関し、2019年に500MWの需要を確保したことになります。こうして、高効率な発電設備の製品化や生産設備の導入を促進していくのが、トップランナープログラムです。
――過剰な生産能力の調整や、低い効率の生産設備や製品の淘汰が、政策変更の目的の一つではないかという推測がありました。トリナ・ソーラーを含む太陽光パネル大手の中にも、未償却の古い設備を抱えていたり、コモディティ化している多結晶シリコン型の販売比率が高いメーカーも多いと思います。
トリナ・ソーラーを含めて、中国の大手パネルメーカーの中には、古い生産設備を使っている工場もあります。こうした設備では、改善や改造で効率を上げる余地が少なく、課題となっています。
トリナ・ソーラーの場合、合計で年産8.5GWのセルとパネルの生産能力を持っています(図2)。このうち2GWは、タイとベトナムにあり、高効率な製品の生産に対応でき、生産効率も高い工場となっています。