「組み合わせ」が重要
――取材でメガソーラーを訪れると、木材チップや防草シートを採用しているサイトも出てきています。ただ、それでも完全に雑草を防ぎきれないことも多いように見えます。
伊藤(幹) マルチ資材が、雑草の発生を抑えるのは確かですが、完全に除草するわけではありません。それがマルチ技術の限界とも言えるし、特徴でもあります。だからこそ、マルチ技術の全体像を理解し、複数のマルチ資材を同時に使ったり、他の除草手法と併用したりすることが、重要になります。
マルチ資材には、それぞれに特徴があり、組み合わせて使うことで、欠点を補えます(図4)。例えば、相対的に雑草抑制効果の高い不織布シートの上に砕石や木材チップを敷けば、紫外線による不織布の劣化を緩和できますし、不織布では効果の小さい高温化の抑制、保水効果など環境改善効果を木材チップが補ってくれます。
また、マルチ資材の施工前や施工後に適切な化学薬剤を使えば、雑草の発生をかなり長期間、抑えられます(図5)。