地温を2~3度下げる効果

伊藤(幹) 一方で、マルチに向いていない有機資材をもあります。以前、オカラを使ったことがありましたが、臭いがきつくて大変でした。同様に広葉雑草の刈りカスや畜産廃棄物なども、被覆資材としては不適でしょう。

――有機マルチ資材の環境改善効果には種類よって違いがありますか。

伊藤(操) 高槻農場の実験では、表層5cmの地温と水分含有量についても調べました。それによると、いずれの有機資材も地温は、裸地区やシート被覆区に比べて低く、水分含有量は裸地区より高く、シート被覆区より低い傾向にありました。特に夏季の地温は裸地区に比べると、2~3度も低いことが分かりました(図10)。

図10●マルチ資材・被覆下表層5cmの地温の季節変化(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
図10●マルチ資材・被覆下表層5cmの地温の季節変化(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
[画像のクリックで拡大表示]

――結晶シリコン系パネルを採用した太陽光発電所は、夏期には日射量が多い割に高温化の影響で発電量が伸びないのが実情です。有機マルチ資材は、発電量を増やせる可能性がありそうです。

伊藤(操) マルチ資材の「組み合わせ」の重要性についてすでに述べましたが、不織布などのシート系の資材は、有機資材に比べると防草効果については高くなります。従って、シートの上に木材チップや残渣系資材などを敷けば、雑草抑制と環境改善の両方を高めることも可能です(図11)。

図11●シートの上にマツ葉を被覆した例(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
図11●シートの上にマツ葉を被覆した例(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
[画像のクリックで拡大表示]

(第6回・後半は防草シートを中心に解説します)(関連記事:「防草シートは、施工前と後が重要」。緑地雑草科学研究所に聞く・第6回後半)

「緑地雑草科学研究所に聞く」シリーズの一覧