事業用低圧案件を集約へ

今後、太陽光発電所のセカンダリー(中古売買)市場が活発化すれば、事業用低圧案件を買い集めて、集約的に管理する事業者が出てくるかもしれません。

山崎 そうした方向性にはたいへん期待しています。1事業者が2~3カ所の事業用低圧案件を所有して運営するより、隣接する地域で何十、何百の案件を所有し、まとめて面的に運営する方が事業性も高まり、再投資も進むはずです。

 6月末にJPEA(太陽光発電協会)と連携して作成・公表した「太陽光発電事業の評価ガイド」は、事業用低圧案件のセカンダリー市場を活性化したいとの狙いがあります。玉石混合の太陽光発電所のなかで、安心して購入できるよう評価基準を示しました。

低圧案件を集約するには、資金力のある大手企業が有望です。しかし、大企業から見ると、50kWの小規模発電所は手間がかかるので手を出したくないとの声を聞きます。

山崎 確かに集約化といっても、そんなに簡単ではないでしょう。立地や品質によっては買い手が付きませんし、売却したくないオーナーもいるでしょう。FITの終わった事業用低圧案件のすべてが再投資され、事業継続することは期待できません。

 問題は、容量で3割を占める事業用低圧のうち、何割が残り、何割が撤退するのか、ということです。少しでも歩留まりが上がるように対策を打っていきますが、この領域では、技術革新やベンチャー起業家の斬新な発想にも期待しています。

 これはまったくの私見ですが、事業用低圧案件のような小規模分散電源は、太陽光の強みである「地産地消」型の電源として生かす方向性も有望だと思っています。

 野立て太陽光のなかでは、比較的、市街地に近い立地が多いので、自営線を敷設して近くの需要施設に電気を供給できるかもしれません。そうすれば、卸電力市場よりも高い単価で売電できるので事業性が高まります。

 また、蓄電池や水素製造などで技術革新と低コスト化が進めば、電池や水素という形で一般消費者に直接、販売できるかもしれません。いずれにせよ、国内に多数、建設された事業用低圧案件をうまく生かし、再投資を促す方向性を探りたいと考えています(関連記事:「買取総額4兆円を巡り国民的な議論も」、経産省・新エネルギー課の山崎課長に聞く=後半)。