「技術自給率」向上策は?

認定した案件が今後、順調に稼働していけば、一度決めた買取価格が適用され、自動的に賦課金は増えていきます。その場合、批判の多いFIT初期の未稼働案件や、輸入バイオマスなどが見直しの対象になるのでしょうか。

山崎 そうした場合の具体的な対応策に関しては、まったく白紙の状態です。ただ、未稼働期間があまりにも長い案件は、その後の太陽光パネルの急落を考えれば、FIT本来の趣旨に反し、公平性にも欠けると批判があるのは確かです。国民経済的な視点で議論していくテーマになるでしょう。

経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー課の山崎琢矢課長
経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー課の山崎琢矢課長
(撮影:清水盟貴)
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 繰り返しになりますが、エネルギーミックスの「24%」も買取費用総額の「4兆円」も、再エネ導入量のキャップではありません。入札制も、導入量を抑制するために採用したわけではなく、買取価格の適正化が目的です。

 FITに頼らず、賦課金を増やさない再エネであれば、こうした制約を気にせずに設置できます。そもそもFIT依存である限り、「主力電源」とは言えません。実際、諸外国では、そうなってきています。今後は、国内でもそうした良い事例を作っていきたいのです。

新しいエネルギー基本計画では、エネルギーサプライチェーンにおける「技術自給率」という概念が記載されました。太陽光発電設備では、パネルやPCSで海外ブランドが増え、技術自給率が急速に落ちています。

山崎 その論点については、極めて重要だと認識しています。世界の国々が、自国の産業を自国の技術で支えるべく、しのぎを削っています。エネルギー産業でも同様です。

 太陽光発電分野では、中国メーカーが太陽光パネルの製造で世界を席巻しており、いまから同じ技術で勝負することは難しいかもしれません。

 日本企業としては、ゲームチェンジとなる新技術のほか、蓄電池やEV(電気自動車)などと組み合わせたEMS(エネルギー管理システム)の分野で革新的な独自技術を構築し、海外にも打って出るような戦略も必要に感じます。