防草シートによる密封で枯死

防草シートによる物理的手法は有効ですか。

伊藤(幹) 防草シートによる対策は有効ですが、その効果は施工品質に大きく左右されます。防草シートの施工では、まず、敷設するエリアのクズを刈り取り、シートを固定します。この際の密封状態がカギになります。現場周辺に構造物がある場合は、シートの端を必ず接着し、シートとシートの重ね部分にも接着剤を充填し、端や隙間からクズのツルが出てこないようにすることが重要です。

 シートを施工後、翌年には新茎が出て多少、盛り上がってきますが、密封状態が維持されていれば、光合成ができないので、地下部も徐々に衰退して枯死します。しかし、接着が不十分でツルがシートの端や隙間から顔を出してしまうと、葉から栄養が地下に送られるので、根絶には至りません。

 また、地表面の密封が維持されていれば、フェンスを越えるなどして、隣地からクズのツルが浸入しても、根が地面に届かないため、容易に除去できます。

クズ防除に効果のある除草剤は開発されているのですか。

伊藤(幹) これまでの説明で、クズの防除対策として有効なのは、すべての節を刈り取ってしまうか、全面に防草シートをかぶせて完全に密封する、という手法を挙げました。しかし、実際には、対象となる敷地がある程度の規模を超えると、こうした手間とコストのかかる対策は現実的ではありません。

 クズ防除のポイントは、結局、節からの萌芽や発根を抑えることであり、大規模な管理地の場合、これを最も効果的に行えるのは化学薬剤になります(図9)。

図9●クズの防除には新茎と根が出る節の除去が必要
図9●クズの防除には新茎と根が出る節の除去が必要
(出所:Tsugawa, Kayama 1985から引用)
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