10MWを6.6kVの高圧配電線に連系
――2MW以上のメガソーラーの連系では、変電所を設置して特別高圧送電線に接続する必要があるというのが、一般的な理解です。

安岡 2MW以上でも、9.9MWなど、10MW未満の場合、周辺に6.6kVの高圧配電線が2系統あり、かつ空き容量があれば、連系協議で交渉し条件さえ整えば、連系できる可能性があります。6.6kVの高圧配電線は、66kVの特別高圧送電線に比べて比較的、近くまで来ていることが多く、何本か電柱を立てたとしても、数百万円から、高くても2000万円程度で済みます。
当初、こうした連系方法があることを認識していなかったのですが、電力会社出身の社員から、その可能性を指摘され、実際に連系協議の場で、電力会社に提案し、接続契約に成功したケースが出てきました。
――従来、10MW程度の案件は、特別高圧案件としては、中途半端な規模のため、事業開発する例が少なかったように思います。
安岡 これまで規模を大きくすることばかり考えてきましたが、連系方法を変えることで、これまで見過ごしてきた「10MW」にスイートスポットがあったのです。とはいえ、6.6kVの配電線が2系統あって接続容量に空きがあり、かつ10MWに適した20ha程度の土地がある、というケースは、全国的に探してもどんどん見つかるわけではありません。
並行して、2MW未満の高圧案件を近隣に複数サイト、同時に建設することで、効率的に開発するプロジェクトも進めています。
――稼働・建設中の約200MWに加え、今後、どの程度の規模を開発する計画ですか。
安岡 9サイトで約200MWのほか、さらにあと約200MWを開発中です(図2)。国内で合わせて400MWのメガソーラーの開発・運営を目指しています。いずれにせよ、これまではまずメガソーラーに向いた土地を見つけ、いかに連系するか検討するという順番でしたが、現在では、系統の空き容量状況から、連系コストの安い地域を特定し、その周辺に用地を見つけていく、という順番でプロジェクト開発を進めています。